吉田文紀発言集

夢は実現する

トレアキシンの承認に際して

2010年10月27日、トレアキシンが承認されたとの通知が厚生労働省から届きました。まさに「無から有を生む」ことができた瞬間でした。また同時に我々の使命である未充足の医療ニーズに応えることと、我々の志である「共創・共生」が実現できた最初の瞬間でもありました。改めてトレアキシンの承認のためにご指導をいただいたSAB(サイエンティフィック・アドバイザリー・ボード)の先生方をはじめとする多くの先生方、我々を信頼して投資をしてくれた多くの株主の方々には、トレアキシンの早期承認取得へと導いてくれたご支援とご協力に深く感謝の意を表したいと思います。
また2005年3月25日にシンバイオ製薬を創業して5年半の間、一日も早く患者さんに新薬を提供したいという強い気持ちを持って、各々の立場で最善を尽くして頑張ってきた社員に、そして日々社員を支えてきてくれた家族の皆さんに対しても感謝の念に堪えません。全社員が一丸となり日夜努力を続けたことにより、ドラッグラグの大幅な短縮(米国とのラグは2年間、欧米諸国〈除く独国〉では同時承認でラグはゼロ)が可能になり、患者さんとその家族の方々に大きな恩恵をもたらすことができたことは大変素晴らしい成果であり、社員一同この大きな成果を成し遂げられたことを誇りに思っております。
思い起こしますと、この5年半の間には経営面でも開発面でも多くの困難が立ちはだかり、幾度か土俵際に追い込まれることもありましたが、その都度「Patients are waiting」(患者さんは待っている)の言葉に突き動かされ乗り越えてきました。いまその患者さんと家族の方々の喜びと笑顔を思うと、これらの苦難は我々に与えられた使命を実現するための単なる試練でしかなかったと言えます。
我々の使命は、このトレアキシンの開発・提供にとどまらず、これからも未充足の治療領域のために、多くの新薬を開発・提供することであり、次なる目標に向かって全社員一丸となって邁進して行きたいと思っております。さらにシンバイオ製薬には、医薬品産業において、“がん・血液・自己免疫疾患の3治療領域に特化した日本で初めてのスペシャリティ・ファーマの誕生”という大きな期待を持たれており、グローバルな競争力を持つビジネスモデルの製薬企業を創生するために、壮大なテーマを持って経営に取り組んでいることも、この機会にお伝えいたします。

今後とも関係各位の皆様には、より一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう偏にお願い申し上げます。

2010年10月27日
代表取締役社長兼CEO
吉田文紀