CSRの取り組み
ビジネスモデルの斬新さ、先見性、将来性の情報発信を
社長対談

第4回

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松田
じつに明解で前途洋洋のビジネスモデルですが、御社が上場した後の日本の市場の反応は思ったほどではありませんね。
吉田
たしかに株価のチャートだけを見ると、環境要因を含めて複合化された要因があるため、やむをえない部分があります。
松田
株価が下落トレンドの時に底値を見極めて投資する「逆張り」という手法がありますが、それもあまり見られなかったように思います。
吉田
投資の格言で、「人の行く道の裏に花咲く道あり」というのがあります。多くの医薬品企業は、売上高を求めて患者数の多い慢性疾患市場にいくのですが、私どもはそうではなく、ある意味では裏道ともいえる空白の治療領域というニッチを志向しています。そこにこそ美しく花咲く道があると考えるからです。また投資家の85%は日本のリーテルの方々です。そのような方はどちらかというと逆張り志向なので、私どものビジネスモデルに対してもご評価いただけると期待しましたが、今回はそのようになっていないので残念に思っています。
松田
本当はそう見るべきでしょうが、日本の一般投資家は、業績の背景にあるものを読んで買うということをあまりしないかもしれません。それに、欧米の投資家はリスクマネーというものに対する明確な考え方を持っていますが、日本の場合はそのレベルまで行っていないのは確かです。
吉田
それは、日本でイノベーションが生まれにくいことと通じますか。
松田
イノベーションというのは辺境(アレー)から生まれます。既存の王道からは生まれません。
たとえばキレとコクを重視する部長の開発したアサヒビールの「スーパードライ」は、会社の役員のほとんどが反対しましたが、やらしてみようではないかという社長の決断で発売したところ爆発的なヒット商品になりました。そこでキリンビールがドライ対抗商品を出したのですが、先行したアサヒに及びませんでした。ところがキリンの本流から外された方を引き戻して開発したのが「一番搾り」です。一番搾りの大ヒットが、ドライの成長スピードをストップさせたのです。
そう考えると、裏道というか、端のほうからイノベーションは起きて来ます。人類の新しい本当の救世主は、この空白のところから出て来る可能性を秘めています。そういう見方をすると、空白とは誰も注目していなかった端っこみたいなもので、そこから業界のイノベーションが始まっています。そのことがいま製薬業界で起きている、その仕掛け人がシンバイオ製薬だと見ています。
吉田
そのように理解がいたり、結果として株価もそのように動いてくれるといいのですが。
松田
シンバイオ製薬のビジネスモデルの斬新さ、先見性、将来性が情報として明確に伝われば、一般投資家はネットをよくサーチしていますから、あとは早いと思います。
いまは、ひと株当たりの価値は赤字だからマイナスではないかという表の決算書の話になっています。社長の能力、経営チームの優秀さ、世界最先端のノウハウをもつ研究者・開発者のラインアップ、人材パワーなどは、チャートしか見ていない人には伝わりません。
御社も近い将来に黒字化されるでしょうから、それまで待てばいいのかもしれませんが、いま投資家の皆さんの意識を変えることができれば、シンバイオ製薬にとって将来にわたる強い味方にすることができるのではないでしょうか。
吉田
今後、もっと発信力を強めるようにしたいと思います。