CSRの取り組み
社長対談

第3回

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売上の柱を何本も立て、ゆるぎない経営の持続性を保つ
松田
薬として必要性が高く、成功確率の高いものをふるいにかけるルールとして、シンバイオ製薬ではサイエンティックアドバイザリーボード(SAB)の精度の高さが、世界のどこと比較しても強いということのようですね。開発のパイプラインの進化の状況と同時に、基幹となるこの部分のレベルと精度の高さを評価しなければいけないと思います。
吉田
当社は、すでに欧米で行われた臨床試験のデータをベースとして日本においての開発をしますから、日本での臨床試験を短時間かつ低コストで仕上げることができます。開発のプロセスが短くなるということは、それだけ開発リスクとコストが低減するのです。
松田
私が重要だと思うのは、シンバイオ製薬が5年目にやりますといったことを、そのとおり実行したことです。
多くは、宣言したものの実際にはできない。それができたという事実は、不確実性の高い世界ではすごい話です。これは開発チームの優秀さもさることながら、厚生労働省に対する関係性の強さもあるのだろうと思います。
大手製薬会社は大型薬品だけを対象としているので年に何本も出すわけではありませんから、厚生労働省に対しての申請頻度はあまり高くない。それに対して、シンバイオ製薬は頻度が高いので、許認可申請についてのノウハウとスキルが圧縮されて蓄積されているということでしょう。
吉田
2005年3月にシンバイオを創業して、同年12月に開発1号品のライセンスを取得し、5年目に新薬の承認を取りました。その6週間後に発売をし、さらに創業して6年半後に上場することができました。創業してこの5年から6年の間に、経営の重要なマイルストーンである二つの承認が取れたということです。
創業以来、新薬の承認と上場承認を目指してきましたから、5年から6年にかけて目標どおり二つの承認がとれたということは、製薬企業としてそれだけの実行能力を備えた組織がある、つまり、優秀なスタッフに恵まれたということの証だと思います。
もう一つ、上場承認の意味合いとしては、6年かけて経営努力してきた結果が実って、ガバナンスを含めた事業会社として公認されたということになります。
ただ、これはあくまでも製薬企業としてのスタートラインであり、今後、成長戦略をどこまで展開できるかということで、これからの勝負だと思います。
松田
スケジュールどおり、きっちり進む。しかし大ホームランを狙っているわけではありませんということですね。イチローでも何回か打席に立って3分の1の確率のヒットです。それをシンバイオ製薬は最初にいきなり塁に出てしまった。このロジックから、イチローより精度の高い仕事をしているということが明確になると思います。しかも、成功率が2万5000分の1と言われる世界です。
吉田
あとは、こつこつと塁を埋めて点を取って行く、時には2塁打も3塁打も放つ。
松田
確実にヒットを出しながら、最終的に点数を上げていく。売上の柱を何本も立てることによって、ゆるぎない経営の持続性を保つということが、もともとのシンバイオ製薬のモデルなのですね。
吉田
そのとおりです。それを実行することによって、結果も出てきました。
松田
繰り返しになりますが、最初やろうとしたことが、実行されたということがすごいと思います。
吉田
私が、シンバイオの事業の将来に対して楽観的といいますか、明るい見通しをもっていますのは、今のシンバイオが実行能力を備えた会社だということです。それは、事業モデルであり、優秀なスタッフであり、そういう組織体であり、ご指導ご鞭撻を頂いた多くの方々のお陰もあってここまできているわけです。これらが、将来的な経営の成長性、継続・持続性に結びついていくと思います。
松田
黒字化は急がなければなりませんが、パイプラインをしっかりして経営を持続させれば、結果はおのずからついてくるはずです。